自動車業界は今、100年に1度の変革期を迎えていると言われています。ダイムラーとベンツがそれぞれガソリンエンジンを搭載した三輪車、二輪車、そして四輪自動車の発明に成功したのが1880年代、フォードがベルトコンベアを用いた自動車の大量生産を実現したのが1914年ですから、自動車の発明と量産に匹敵する変革ということになるでしょうか。自動車業界の地殻変動が起こっているといっても過言ではない昨今。今回は、オートテックに関連するテーマを12に分けて、テーマごとに代表的なスタートアップを紹介します。
※本記事はTECHBLITZが配信した「AutoTech Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらまたは本記事末フォームからお問い合わせください。
<目次>
・車は「空間を楽しむもの」へ
・オートテック、注目の12カテゴリ
・1. バッテリー式電気自動車(BEV)
・2. バッテリー
・3. BEV充電インフラ
・4. Vehicle to Grid(V2G)
・5. 水素燃料電池車(FCEV)
・6. FCEV充電インフラ
・7. 自律走行システム
・8. センシング/ LiDAR
・9. コネクテッドカー・プラットフォーム
・10. 車両データの利活用
・11. 車載インフォテイメント
・12. サイバーセキュリティ
車は「空間を楽しむもの」へ
自動車業界の変革の柱は、電動化、自律走行、コネクテッドです。いずれの分野においても、多くの新興企業が生まれ、大手自動車メーカーとスタートアップの協業が進み、またIT企業を中心とした新たなプレーヤーが続々と参入してきています。自律走行とコネクテッドの流れから、車を「移動の手段」、「運転を楽しむもの」だけではなく「空間を楽しむもの」と捉えるトレンドも顕著になってきました。自動車業界の地殻変動は、新しいビジネスモデルや以前には考えられなかったようなパートナーシップを生み出しています。
オートテック、注目の12カテゴリ
Image: AutoTech Trend Report
1. バッテリー式電気自動車(BEV)
2050 年までにカーボンニュートラルな社会を実現するというパリ協定の目標を達成するには、2040 年までにガソリン・ディーゼル車の製造を廃止しなければならないと試算されています。テスラを先頭に EV 新興企業、そして自動車大手が巨額の投資を行い、続々と EV モデルを市場に送り出しています。本ページでは、その中で独自性の高い EV を開発し、近年中の生産開始を目指しているスタートアップ 2 社を選定しました。
所在地 |
Munich, Germany |
創設年 |
2016年 |
資金調達額累計 |
$126.6 M / Series C |
出資者 |
e.ventures, Wi Ventures, Headline, etc. |
URL |
https://sonomotors.com
|
ボディに248個以上の太陽電池が組み込まれたEVを開発。最高速度149km/h、120kW(163 PS)、航続距離255kmのコンパクトカー。充電スタンドなどでの充電も可能、双方向オンボード充電器により「モバイル・エネルギー・ストレージ」として利用し、他のEVや電子機器に電力を供給することもできる。2023年に生産開始予定、現在€25,500でプレオーダーを受け付けている。バスやトラックにも応用可能。
所在地 |
Sveta Nedelja, Croatia |
創設年 |
2011年 |
資金調達額累計 |
$208.9 M / Unknown |
出資者 |
Porsche Ventures, Hyundai Motor Company, Kia Motors, EASME, etc. |
URL |
http://www.rimac-automobili.com/ |
Rimac Automobiliは、自動車業界向けにハイパーカーや高性能EVコンポーネントの設計、エンジニアリング技術を提供するとともに、自社で高級EVスポーツカーを開発。EVの中では最速、加速性能にも優れたハイパーカー「C_Two」の生産を2021年中に開始予定。車体はカーボンモノコックを採用しており、車両重量は1950kgと軽い。同社に出資しているポルシェをはじめ大手自動車メーカーとも協力、技術を提供している。
Image : Rimac Automobili
HP
2. バッテリー
BEV の普及には、バッテリー価格の低下、そして性能の更なる向上が求められます。多くのスタートアップが自動車メーカーと協力し、充電時間の短縮や航続距離の伸長へ向けてしのぎを削っています。本ページでは、主流のリチウムイオン電池と、リチウムイオンを超える性能を持つとされる固体電池技術を開発するスタートアップを紹介します。
所在地 |
Irvine, California, US |
創設年 |
2005年 |
資金調達額累計 |
$192.6 M / Series E |
出資者 |
Lenovo, Samsung Venture Investment, LG Chem, Threshold, etc. |
URL |
https://www.enevate.com/ |
純シリコン負極を用い、急速充電、長距離走行、低温性能を兼ね備えたセル技術を開発。グラファイトセルよりも10倍速く充電でき、6倍長い航続距離を実現。氷点下においてもリチウムめっき現象が発生せず、安全性が高い。材料コストも従来より低く抑えることができ、車両価格の低下に寄与する。400件を超える包括的な特許ポートフォリオを保有。
所在地 |
Louisville, Colorado, US |
創設年 |
2012年 |
資金調達額累計 |
$186.5 M / Series B |
出資者 |
BMW Group, Ford, Hyundai CRADLE, Samsung Venture Investment, etc. |
URL |
https://solidpowerbattery.com/ |
Solid Powerは、リチウムイオン電池と比べ、発火リスクが低く、高エネルギー密度な全固体電池の開発を進めるスタートアップ。独自の固体電解質材料を開発、先端的な電極材料を採用。既存のリチウムイオン電池の生産ラインを利用した量産体制の確立を目指す。自動車分野に加え、航空宇宙や防衛分野での利用も想定されている。
3. BEV充電インフラ
所在地 |
San Leandro, California, US |
創設年 |
2014年 |
資金調達額累計 |
$105.2 M / Series C |
出資者 |
ABB Technology Ventures, Alumni Ventures Group, Volvo, BP Ventures, etc. |
URL |
https://freewiretech.com/ |
FreeWire Technologiesは、場所を選ばずにどこでも充電できる、移動式のEV用充電デバイスを開発。既存施設の改築などにコストをかけることなく、EV充電インフラを構築できる。リチウムイオン蓄電池を内蔵しており、電力単価が安い夜間に充電し、日中の電力供給に充てる。固定式の急速充電器も開発しており、柔軟に組み合わせることができる。
Image : FreeWire Technologies
HP
路上に充電装置を埋め込み、住民が必要な時に必要な場所で利用できるEV給電システムを開発。ユーザーは、充電用の「ランス」を車両に搭載し、それをコネクターポイントに差し込むことで充電を開始できる。利用時以外は平坦な道路となるため、歩行者や車椅子利用者などの往来の妨げにはならない。現在、ロンドン郊外ブレント区、カムデン区の歩道に200個のコネクタを設置、EVを所有する住民参加型のトライアルテストを実施している。
4. Vehicle to Grid(V2G)
2011 年の東日本大震災時、EV バッテリーに蓄電されている電気エネルギーが電力供給と災害復旧に活用されたことがニュースとなりました。災害時のみならず、平時から建物の電力源として利用する「Vehicle to Building(V2B)」、更には電力系統へ電力を送り返す「Vehicle to Grid(V2G)」
など、EV 蓄電池を有効活用するソリューションの開発と導入が進行しています。
所在地 |
Charlottesville, Virginia, US |
創設年 |
2013年 |
資金調達額累計 |
$2.5 M / Unknown |
出資者 |
TEPCO Ventures, Tobacco Region Revitalization Commission |
URL |
https://www.fermataenergy.com/ |
V2X電力システムをターンキーで提供。EV所有者やフリート管理者は、EVバッテリーに蓄えられたエネルギーを電力網に送り返すことで収益を上げたり、商業ビルや自宅の電力源として利用したりすることができる。EV購入の費用対効果を高めると同時に、電力ユーティリティ企業にとっても、より弾力性ある電力システムの構築が可能となるうえ、定置型エネルギー貯蔵と比べて費用対効果が高いという。
Image : Fermata Energy
HP
EV充電装置でありながら、プラグを差し込むだけで必要に応じてEVバッテリーから自宅の電力を賄うことができる双方向の電力供給を実現。EVを予備電源としてうまく活用することで、ピーク時の電気料金を回避することができる。ルーフトップ太陽光発電装置との連携も可能。アプリ上では、天気予報とソーラーパネルの予想発電量、住宅とEVの予想電力需要が可視化され、電力を「使うべきか、蓄えるべきか、あるいは売るべきか」、ユーザーの意思決定を支援。
5. 水素燃料電池車(FCEV)
EV とともに、次世代自動車の双璧を成す水素燃料電池自動車。劣勢にあると言われながらも、充電時間、航続距離、寒冷地での安定性能などの面で利点があり、特に航続距離が長く、温室効果ガス排出量に占める割合も高い大型輸送用途での普及がなお有望視されています。水素と酸素を反応させて電気を生成する燃料電池に加え、エンジンで水素を燃焼させる水素エンジン技術の開発も進んでいます。
所在地 |
Honeoye, New York, US |
創設年 |
2019年 |
資金調達額累計 |
$400.0 M / Unknown |
出資者 |
Total Carbon Neutrality Ventures, Hydrogen Capital Partners, BlackRock, etc. |
URL |
https://hyzonmotors.com/ |
水素燃料電池を搭載した、航続距離400~600km、最大50トンのトラックやバスなどの商用車を開発・製造。様々な種類の混合ガスから選択的に水素を分離、同時に精製する電気化学的圧縮技術を開発してきたHorizon Fuel Cell Technologiesからのスピンオフ企業。創業後1年間で約500台の燃料電池搭載商用車を販売、北米、欧州、豪州を中心に同社の燃料電池を搭載した大型車両が運行されている。
所在地 |
Munich, Germany |
創設年 |
2015年 |
資金調達額累計 |
Undisclosed / Series A |
出資者 |
NAGEL Maschinen- und Wekrzeugfablik, Horizon 2020, etc. |
URL |
https://www.keyou.de/ |
既存のディーゼルエンジンを、特許取得済みの水素触媒、排ガス再循環、ターボチャージャーなどを組み合わせた技術アプローチにより、エミッションフリーの水素エンジンに変換する技術を開発。燃焼プロセスでは、水素と大気中の酸素が結びつき水を生成するため、炭素は排出されない。BMWの研究開発部門出身者が創業。技術は、エンジンやメーカー、新車・中古車を問わず応用可能だが、現在は商用車部門に注力している。
6. FCEV充電インフラ
水素燃料電池車の普及にも水素ステーションの整備が欠かせません。水素自体は、電気を使って水から取り出したり、LPガス、天然ガス、石油などの化石燃料を原料とするもの、バイオマスガスなどの再生可能エネルギーから生成するものなど多様な選択肢がありますが、水素ステーションは、水素を外部から輸送するオフサイト型と、供給と同じ場所で水素を生成・貯蔵するオンサイト型の 2 種類に分けられます。
所在地 |
Arnhem, Netherland |
創設年 |
2009年 |
資金調達額累計 |
Undisclosed |
出資者 |
Shell Ventures, AP Ventures, Anglo American Platinum, Horizon 2020, etc. |
URL |
https://hyethydrogen.com/ |
窒素やメタンを含む様々な混合ガスから水素を分離する、電気処理による圧縮水素製造装置を開発。独自の膜 / 電極接合体(MEA)技術により、燃料電池車の利用に適した高品質な水素を生成。ガス大手と提携し、天然ガスから水素を分離・圧縮する技術試験を実施しており、これが実用化に至れば、天然ガスの既存インフラを利用して、充電ステーションなどへの簡単かつ安価な水素供給が実現する。
所在地 |
Malataverne, France |
創設年 |
2012年 |
資金調達額累計 |
$18.2 M / Series B |
出資者 |
Bpifrance, Air Liquide ALIAD, Demeter Partners, etc. |
URL |
https://www.ergosup.com/en |
電気化学をベースとした超高圧下での水の直接電気分解技術で特許を取得。同技術に基づき、水素の製造 / 貯蔵 / 圧縮 / エネルギー変換を一箇所で行うことのできる分散型水素供給ソリューションを開発。水素燃料自動車のサービスステーションや定置用のエネルギー変換・貯蔵システムとしての利用が期待されている。
7. 自律走行システム
自動車の未来を担うもうひとつの技術は自律走行です。自律走行関連スタートアップといえば Tesla、Alphabet 傘下の Waymo、Amazon が買収した Zoox などが思い浮かびますが、本ページでは、自動車メーカーや Tier1 サプライヤーに自律走行を実現するソフトウェアを提供するスタートアップの中から、特に悪条件下での走行に優位性を持つ 2 社を選定しました。
所在地 |
Oxford, UK |
創設年 |
2014年 |
資金調達額累計 |
$89.5 M / Series B |
出資者 |
BGF, BP Ventures, Axa XL, Tencent Holdings, Innovate UK, etc. |
URL |
https://www.oxbotica.com/ |
どのような環境下でも機能し、あらゆる車両と統合可能な自動運転システムを開発。優れたエッジコンピューティング技術を有する同社のソフトウェアは、GPSやサードパーティの地図などの外部インフラに依存することなく、車の高度な自律性を実現。混雑した都市部や田舎道のみならず、港湾や鉱山、砂漠、森林など道路外での産業利用に強みを持つ。
所在地 |
Espoo, Finland |
創設年 |
2017年 |
資金調達額累計 |
$7.0 M / Series A |
出資者 |
ITOCHU Corporation, NordicNinja VC, Horizon 2020, etc. |
URL |
https://sensible4.fi/ |
商用車向けに全天候型レベル4自律走行ソフトウェアを開発。大半の自律走行車は理想的な天候、整備された道路で実証運転を行っているが、同社の自律走行システムは雪や濃霧、凍結といった北欧の冬の厳しい気象条件を前提としている。最先端のセンサーを用いて構築されたLiDARベースの測位および障害物検知技術に確率的3Dマッピングなどを組み合わせ、あらゆる気象条件に対応。量産予定は2022年。
8. センシング/ LiDAR
車が自律的に走行するためには、運転機能を実行する前に環境を認識する必要があります。周辺環境を認識するために様々なセンシング技術やカメラ技術が開発されていますが、現在中心的な役割を担っているのが LiDAR(Light Detection and Ranging)技術です。長距離のセンシング技術性能を競う企業が多い中、本ページでは、近距離に強く広角という特徴を持つ LiDAR の開発に取り組む 2 社を取り上げました。
所在地 |
Sydney, Australia |
創設年 |
2015年/td>
|
資金調達額累計 |
$63.9 M / Series B |
出資者 |
Hitachi Construction Machinery, Sequoia Capital China, Blackbird Ventures, etc. |
URL |
https://www.baraja.com/ |
光ファイバー通信とプリズムの原理を応用したLiDARセンサーを開発。波長可変レーザーを車の屋根の上に付けたセンサーヘッド(プリズム)に接続、レーザーの色や波長を変更することで様々な角度の状況を瞬時にスキャンすることができる。センサーヘッド1つで360度の周辺把握が可能。長距離のみならず、超近距離の物体も検出でき、他のLiDARからの干渉にも強い。
所在地 |
San Francisco, California, US |
創設年 |
2016年 |
資金調達額累計 |
$48.1 M / Series A |
出資者 |
Prelude Ventures, Alumni Ventures Group, Samsung Ventures, Shell Ventures, etc. |
URL |
https://sensephotonics.com/ |
近距離環境を広角に捕捉可能なLiDARを開発。独自のレーザーエミッター技術により高出力の光を照射、反射する光子をセンサーがキャッチし、3D点群画像を生成する。周囲の風景全体をカメラのように一度に認識するこの「フラッシュ」アーキテクチャーにより、従来のLiDAR製品を凌駕する広い垂直視野を実現。特に「5m範囲の黒い領域」と呼ばれる後部や側面を含む、車の周囲の検知に強みを持つ。
Image : Sense Photonics
HP
9. コネクテッドカー・プラットフォーム
インターネットを経由して外部とつながる「コネクテッドカー」の普及も進んでいます。コネクテッドカーの土台となる高度な IoT および通信技術は、
自律走行車の実現にも欠かせない技術であり、補完的に技術開発が進んでいくものと考えられます。コネクテッドカーの普及により、道路交通の安全性向上など、車両内外から得られるデータを活用した新しいビジネスチャンスや収益機会も生まれてきています。
所在地 |
Dallas, Texas, US |
創設年 |
2014年/td>
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資金調達額累計 |
$20.0 M / Series B |
出資者 |
First Round Capital, Continental, Samsung NEXT, E.ON, etc. |
URL |
https://www.vin.li/ |
大量のコネクテッドカーデータから任意の洞察を引き出せるモビリティ業界向けのデータインテリジェンスプラットフォームを開発。ユーザーとなる自動車メーカーやフリート管理業者は、ドライバーの行動データ、車両ステータス、道路状況、位置情報などのビッグデータを整理された状態で素早く取得、インサイトを得ることができる。またコネクテッドカーアプリ開発者向けにはWeb SDKや仮想データシミュレーターなどを提供している。
所在地 |
Santa Clara, California, US |
創設年 |
2012年 |
資金調達額累計 |
$11.0 M / Series A |
出資者 |
Karma Ventures, Samsung Catalyst Fund, Partech, etc. |
URL |
https://www.commsignia.com/ |
Commsigniaは、ソフトウェアとハードウェアを活用し道路交通の安全性を高めるV2X(Vehicle-to-Everything)システムを開発。「車同士」および「車と道路インフラ」をつなぐ同通信システムで、車間距離や路面状況を総合的に把握可能。協調型高度道路交通システム(C-ITS)に用いることで、交通渋滞の緩和や緊急車両の接近警告、路肩の駐車車両の把握など、安全で効率的な交通を実現できる。
10. 車両データの利活用
自動車がネットワークにつながることで、衝突事故発生時の緊急通報や保険会社へのデータ提出、災害や悪天候発生時の警告、メンテナンス時期のお知らせ、運転行動に基づいた自動車保険料の割引、公道の劣化状況の把握、位置情報に基づいた広告など、車両データを用いた新たなサービスが続々と登場しています。
所在地 |
Haifa, Israel |
創設年 |
2017年 |
資金調達額累計 |
$4.0 M / Series A |
出資者 |
Volvo Cars Tech Fund, Bessemer Venture Partners, Hyundai Motor, etc. |
URL |
https://www.mdgo.io/ |
交通事故が発生するとセンサーから得られる速度 / 角度 / 衝撃などのデータをクラウドへ送信、独自の深層学習技術により車体やドライバー、乗客の体に加わったであろう力を計測して、損傷および負傷レベルを予測する。重大事故が予測される場合は、救急医療機関へ通知、詳細情報を自動で送信する。保険会社にも事故の状況や車両損傷レポートを提供することができる。
所在地 |
San Mateo, California, US |
創設年 |
2018年 |
資金調達額累計 |
$4.0 M / Series A |
出資者 |
Plug and Play Tech Center, Norwest Venture Partners, Vulcan Capital, AngelList, Techstars, etc. |
URL |
https://www.revvo.ai/ |
センサー、ゲートウェイハードウェア、クラウドシステムによって、PCやスマホでタイヤの状態を遠隔管理できるソリューションを開発。タイヤ管理を個々のドライバーに任せるのではなく、営業車両を持つフリート事業者が一括して行うことができる。適切なタイミングでタイヤのメンテナンスを行うことができるほか、ドライバーの運転行動も把握可能。
11. 車載インフォテイメント
自動車がインターネットと接続されるにともない、安全運転をサポートするドライバーアシスタンス、ドライバーが前方から視線をそらす必要のないヘッドアップディスプレイ(HUD)や、音声を中心としたハンズフリーシステム、そしてエンターテイメント技術まで、多様なインフォテイメント技術が登場しています。17 ページ以降の車載インフォテイメント特集< In-Vehicle Experience >で「車内の快適空間」を提供するスタートアップ企業を紹介していますので、あわせてご覧ください。
所在地 |
San Jose, California, US |
創設年 |
2016年 |
資金調達額累計 |
$12.0 M / Early Stage |
出資者 |
Intel Capital, Koc Holding, Revo Capital, Vestel Ventures, etc. |
URL |
https://www.cyvision.com/ |
フロントガラスにドライビング情報を3D投影する、ソフトウェアベースのAR HUDシステムを開発。車両に搭載されているカメラ、GPS、LiDAR、先進運転支援システム、スマートフォンなどの情報を統合し、フルカラー表示する。これによって、ドライバーの注意を前方に集中させ、運転をアシストしながら安全走行を促す。
所在地 |
Santa Clara, California, US |
創設年 |
2005年 |
資金調達額累計 |
$215.0 M / Series D |
出資者 |
Hyundai Motor, Tencent Holdings, Daimler, Kleiner Perkins, Nomura,
Sompo Japan Nipponkoa Insurance, etc. |
URL |
https://www.soundhound.com/ |
顧客企業の製品やサービスに音声認識技術を組み込むAI音声認識プラットフォームを開発。自動運転車やスマートホームなど様々なプロダクトに音声インターフェースを持たせることができる。たとえば自動車に同社製品を導入することで、運転中にドライバーの声でナビやローカル案内、窓の開閉や温度調節などを指示することができ、ハンズフリー操作が可能に。
12. サイバーセキュリティ
自律走行車であれコネクテッドカーであれ、常時インターネットにつながることを前提とした自動車はセキュリティ上のリスクとも無縁ではありません。本ページでは、自動車分野のサイバーセキュリティリスクに特化したイスラエルの企業を 2 社取り上げました。
所在地 |
Haifa, Israe |
創設年 |
2014年 |
資金調達額累計 |
$10.3 M / Series B |
出資者 |
Canaan Partners, F2 Capital, Sierra Ventures, etc. |
URL |
https://www.regulus.com/ |
GNSS (全球測位衛星システム) / GPSに対するスプーフィング (なりすまし)攻撃を検知するスタンドアローンのソフトウェアを開発。GNSSチップなどハードウェアの機能では、GPS信号が本物かどうかを正確に検出できず、GPSに依存する自律走行車はスプーフィングに対し脆弱。同社のアルゴリズムはスプーフィングをリアルタイムに検知 / 警告するとともに、虚偽の衛星信号を排除し、正しい信号のみをナビゲーションシステムに受信させる。
所在地 |
Tel Aviv, Israel |
創設年 |
2016年 |
資金調達額累計 |
$34.1 M / Series B |
出資者 |
Toyota Tsusho, Porsche Automobil Holding, LG Technology Ventures, etc. |
URL |
https://www.auroralabs.com/ |
コネクテッドカーのプログラムコードに含まれるバグの予測検知を行い、自動的に修復することで、高い安全性とゼロ・ダウンタイムを実現するソリューション。ハッキングによるコード書き換えや、気象状況による障害等のリスクにも迅速に対応できる。原因不明だった大手自動車メーカーのエアバッグ用ソフトウェアの不具合を2日で特定した実績を持つ。
※紹介している企業情報は、「AutoTech Trend Report」制作当時のものです。
※本記事はTECHBLITZが配信した「AutoTech Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらまでお問い合わせください。