新型コロナウイルス感染拡大を阻止すべく世界各地で、実店舗の閉鎖、休業要請、あるいは外出自粛要請措置などがとられています。ウイルス収束後も100%以前と同じ状況には戻らないという予測もあり、実店舗ベースの小売業者や外食産業に与えた影響は計り知れません。今回は、そんな小売業界に変革をもたらす「リテールテック」に関連するテーマを13に分けて、テーマごとに代表的なスタートアップを紹介します。

※本記事はTECHBLITZが配信した「Retail Tech Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらまたは本記事末フォームまでお問い合わせください。

<目次>
EC利用者が増える一方、ローカルショップ支援の動きも
リテールテック、注目の13カテゴリ
1. 在庫管理&シェルフモニタリング
2. 位置情報
3. 店舗内データ分析
4. ロイヤリティプログラム
5. 店舗内マーケティング
6. AR/VR
7. ペイメントテクノロジー
8. レジレス決済
9. 後払いサービス
10. サービスロボット
11. デリバリー・配送
12. B2B マーケットプレイス
13. 「体験型」店舗

EC利用者が増える一方、ローカルショップ支援の動きも

 リテール分野のトラフィックや消費者行動のデータ分析を専門とする調査会社ShopperTrakが2020年6月に実施した調査では、小売店の訪問者数が前年同期比でかつてない落ち込みを見せています。ロックダウンが長引くほど、新型コロナ感染拡大以前から既に進行していた実店舗からオンラインへのシフトがますます加速していくだろうことが予測されています。

 アクセンチュアが米英独日中など世界18カ国の消費者を対象に実施した調査*でも、これまでeコマースを利用していなかった層でさえ、日用消費財(FMCG)を提供するスーパーマーケットや飲食宅配サービスなどを中心に、eコマースの利用が進んでいることが明らかになっています。しかしその一方で、実店舗で買い物をしたい、多少支出が増えてもローカルショップを支援したいと考える消費者が世界的に増加していること、「Shop Local」ムーブメントの機運が世界各地で高まっていることも見逃せません。

 ワクチン接種の進展にともない、いずれ移動の制限が緩和され、ビジネスが正常化していくにつれ、これまで抑制されていた支出が実店舗での買い物ニーズにつながることも考えられます。予期せぬ外的要因によって消費者の行動が変容しつつある今こそ、実店舗の価値や今後の方向性を考え直す機会になるかもしれません。

出典:Accenture " How will COVID-19 change the retail consumer?

リテールテック、注目の13カテゴリ

1. 在庫管理&シェルフモニタリング

 店内に設置されたカメラやロボットを用いて商品の陳列状況を監視するもの、ドローンにスキャナーを搭載できるものなど、在庫管理の分野には様々な技術が生まれています。モニタリングで得られたデータからトレンドを予測したり、発注業務を効率化するソリューションにより、単に在庫数を把握するのみならず、欠品ロスを回避するとともに、余剰在庫を抱えるリスクを低減することができます。

Simbe Robotics
自律ロボットの商品棚チェックシステム
所在地 US
創設年 2014年
資金調達額累計 $26.0 M / Series A
出資者 SOSV, Venrock, HAX, etc.
URL https://www.simberobotics.com
自律走行ロボットによる小売店舗の商品棚チェックシステム。品薄の商品の発注や在庫切れ商品のトレンド分析も可能。衝突回避システムによって営業時間内でも、店内の消費者の安全を確保しながらタスクを遂行できる。
Image : Simbe Robotics HP
Scandit
AIで複数のバーコードを高速スキャン
所在地 Switzerland
創設年 2009年
資金調達額累計 $123.1 M / Series C
出資者 Salesforce Ventures, Atomico, GV, etc.
URL http://www.scandit.com
コンピュータービジョンとAIを駆使した高速、高性能なバーコード読み取り技術を開発。スキャナーをドローンに搭載し、倉庫内の在庫をチェックすることもできる。在庫管理の他、配送、顧客別の優待プログラム、チケッティングなどにも利用可能。
Image : Scandit HP

2. 位置情報

 ユーザーの位置情報を活用したマーケティング手法「ジオターゲティング」では、店舗の近隣に位置するユーザーにメッセージや割引クーポンなどを配信することで、実店舗への顧客の誘導を促します。位置情報サービスは、新型コロナウイルス感染拡大にともない導入が急がれる、オンラインで注文し実店舗で商品を受け取る「Buy Online, Pick up In-Store (BOPIS)」サービスのためのソリューションとしても注目されています。

Bluedot
高精度の位置情報サービスプラットフォーム
所在地 US
創設年 2012年
資金調達額累計 $20.4 M / Series B
出資者 Gaingels, Autotech Ventures, etc.
URL https://bluedot.io
小売店や飲食業向けに、ジオフェンシング技術を用いた高精度の位置情報サービス・プラットフォームを提供。店舗でのピックアップサービス (BOPIS) の最適化、ターゲットマーケティングなどに利用できる。
Image : Bluedot HP
NearSt
オンライン上の消費者を近隣の実店舗へ誘導
所在地 UK
創設年 2015年
資金調達額累計 $7.0 M / Seed
出資者 True Global Ventures, YYX Capital, etc.
URL https://near.st
オンラインで商品の検索をしている買い物客に、近隣の実店舗の棚にある商品を可視化する技術を開発。Googleはこの技術を利用して、検索結果にローカル店舗の商品の在庫状況を直接表示している。
Image : NearSt HP

3. 店舗内データ分析

 オンライン上に比べてデータの集計やインサイトの可視化が困難と言われていた実店舗でのデータを、カメラやPOSシステム、店内の無料Wi-Fiサービスなどを通して収集し、ビジネスに活用する動きも顕著になってきています。商品の追跡データを在庫管理や需要予測に利用するソリューション、消費者の行動を追跡して売り場の設計やプロモーション、スタッフの適材配置に活かすソリューションなどがあります。また店舗内のヒートマップで混雑状況を把握し、ソーシャルディスタンス確保に活用する事例も登場しています。

Deep North
店舗カメラとAIによる消費者行動分析
所在地 US
創設年 2016年
資金調達額累計 $33.7 M / Series A
出資者 Delta Air Lines, The Home Depot, etc.
URL https://deepnorth.com
カメラ映像と深層学習を用いた、消費者の店舗内購買行動および位置情報分析プラットフォーム。顧客エンゲージメントのほか、売場の配置、陳列棚の設計など、店舗戦略に役立つ洞察を提供。
Image : Deep North HP
Zenreach
実店舗のデジタルマーケティング効果を測定
所在地 US
創設年 2012年
資金調達額累計 $94.0 M / Later Stage
出資者 Founders Fund, Bain Capital Ventures, etc.
URL https://zenreach.com
ユーザーとなる飲食店やブランドは、無料Wi-Fiを提供することで実店舗を訪れる顧客のメールアドレスを取得。消費行動を可視化するとともに、ロケーションに基づくターゲットマーケティングを実施、測定することができる。
Image : Zenreach HP

4. ロイヤリティプログラム

 顧客エンゲージメントの向上に寄与するロイヤリティプログラム。多数の顧客企業やブランドを擁することでネットワーク効果が発揮されるプラットフォーム型のほか、特にパンデミックの影響が大きいスモールビジネスのサポートに重点を置いたもの、ローカルショップと地域経済の活性化に結びつけたソリューションにも注目が集まっています。

Fivestars
決済端末を活用したロイヤリティ施策
所在地 US
創設年 2010年
資金調達額累計 $145.2 M / Series D
出資者 Y Combinator, Lightspeed Venture Partners, etc.
URL https://www.fivestars.com
専用のタブレット型カードリーダーをローカルショップのレジカウンターに設置。支払いの際に電話番号を登録してもらうことで、SMS経由でクーポン情報を配信するなどのマーケティング施策を展開できる。
Image : Fivestars HP
Colu
仮想地域通貨とリワードで ローカルコミュニティを活性化
所在地 Israel
創設年 2014年
資金調達額累計 $20.7 M / Series A
出資者 Spark Capital, BoxGroup, Digital Currency Group, etc.
URL https://colu.com
コミュニティ、ローカルビジネス、住民を結びつける仮想通貨を用いたリワードプラットフォーム。地元商店街での買い物に対し独自の地域通貨をリワードとして付与することで購買活動を促進し、街の活性化を促す。
Image : Colu HP

5. 店舗内マーケティング

 店舗内の消費者に対して、パーソナライズされたインタラクティブ広告を発信するソリューションも進化を遂げています。ディスプレイに対話機能を搭載したもの、顧客の行動や属性を追跡して広告をリアルタイムで変化させるもの、顧客が手にとった商品やブランドのストーリーを映し出すものなど、多様な選択肢が揃っています。

Cooler Screens
小売店舗向けスマートディスプレイ
所在地 US
創設年 2017年
資金調達額累計 $80.7 M / Series C
出資者 Verizon Ventures, Silicon Valley Bank, M12, etc.
URL https://www.coolerscreens.com
小売店の冷蔵飲料 / 食品棚のガラス扉を、インタラクティブなデジタルディスプレイにする技術を開発。消費者との対話を通し、嗜好や予算、質問などに合わせて表示を変え、レコメンドも行う。個人情報は取得せず、広告に徹する。
Image : Cooler Screens HP
Advertima
個々の顧客にあわせた デジタルサイネージで購買促進
所在地 Switzerland
創設年 2016年
資金調達額累計 $26.1 M / Series A
出資者 Migros, Fortimo Group, FortyOne Group
URL https://www.advertima.com
コンピュータビジョンと機械学習を活用し、店内の買い物客の行動や属性をリアルタイムで解釈し、関連性の高い効果的な広告をデジタルサイネージなどに表示。バイオメトリクスは用いず、取得データは保存されない。
Image : Advertima HP

6. AR/VR

 意外と時間がかかり面倒な洋服の試着やメイクアップの試し塗りを、VRやAR技術を活用してシンプルにするソリューションも人気です。それとは逆に、実店舗の休業や営業自粛が求められる中、実店舗の店内をオンラインサイト上にリアルに再現する技術も現れました。消費者はVR店舗内を「歩き回る」ことで、eコマースでのピンポイントの商品検索ではなく、実店舗で偶然目にとまった商品を手にするようなショッピング体験を楽しむことができるようになります。

Perch
売り場体験を改善
(2022年にRaydiantが買収。2023年6月追記)
所在地 US
創設年 2012年
資金調達額累計 $4.5 M / Seed
出資者 Alpaca VC, Forefront Venture Partners, etc.
URL https://www.perchinteractive.com
小売店内の客の動作から最適なコンテンツを表示し購買率を高る、インタラクティブ・ディスプレイを提供。商品に触れると、ブランドのストーリーやカラーバリエーションが表示されたり、化粧品を手に取るとマジックミラー上で「試し塗り」ができる。(2022年9月にRaydiantが買収。2023年1月追記)
Image : Perch HP
Obsess
AR/VRを活用し新たなショッピング体験を提供
所在地 US
創設年 2017年
資金調達額累計 $4.2 M / Seed
出資者 The Venture Reality Fund/VRF, Techstars, etc.
URL https://obsessar.com
店舗内の商品をモバイルカメラでキャッチすると、インタラクティブに3D、360°で確認することができるARショッピングと、実店舗をリアルに再現したオンラインショップを短期間で展開できるVRショッピング・ソリューションを展開。
Image : Obsess HP

7. ペイメントテクノロジー

 決済手数料あるいは導入コストの高さからこれまで二の足を踏んでいた小規模事業者や飲食店でも、現金が新型コロナウイルスを媒介する可能性を嫌い、キャッシュレス化の流れが加速しています。コストを抑えた決済端末を提供することでスモールビジネスのキャッシュレス化を支援するソリューションのみ ならず、音波を活用した新たな決済手段などの実証実験も進んでいます。

SumUp
小規模店舗向けに決済端末を提供
所在地 UK
創設年 2011年
資金調達額累計 $425.6 M / Later Stage
出資者 btov, American Express Ventures, GS Growth, etc.
URL https://sumup.co.uk
専用端末の導入コストや決済手数料の高さを理由にカード決済に対応できていなかった飲食店等の小規模店舗に対し、安価で安全な決済端末を提供。主要クレジットカード、非接触、モバイル決済など、多様な決済サービスに対応。
Image : SumUp HP
ToneTag
音波を利用した決済サービス
所在地 India
創設年 2014年
資金調達額累計 $10.3 M / Accelerator
出資者 Amazon.com, MasterCard, etc.
URL https://www.tonetag.com
データを暗号化し音波で送るData-over-Sound技術により、WiFiやBluetoothなどを必要としない非接触型デジタル決済ソリューションを開発。スマートフォンやPOSデバイス、フィーチャーフォン間でキャッシュレス取引を実現。
Image : ToneTag HP

8. レジレス決済

 Amazon Goに代表される、入店から会計まで、非接触・非対面で買い物を済ませることのできる無人店舗 / レジレス決済ソリューション。店舗内にカメラやセンサーを設置し買い物客と商品をトラッキングする技術から、ショッピングカートにスキャナーや決済機能を取り付けるもの、自動決済技術が組み込まれたスマート自販機や商品棚まで、多様な技術が存在します。自動チェックアウトシステムは、レジ待ち行列や混雑の解消という観点からも注目されています。

Trigo vision
既存カメラ x AIでスマートショッピング
所在地 Israel
創設年 2018年/td>
資金調達額累計 $89.0 M / Series B
出資者 Red Dot Capital, Vertex Ventures Israel, Tesco, etc.
URL https://www.trigovision.com
カメラとセンサー、AI、コンピュータビジョン技術を用いたレジレス決済ソリューション。店内の3Dイメージを作成し、買い物客の動きや商品の選択をマッピング。スマホアプリ経由の決済やロイヤリティプログラムと連携させることができる。
Image : Trigo vision HP
Caper
セルフ決済可能なスマートショッピングカート
所在地 US
創設年 2016年
資金調達額累計 $13.0 M / Series A
出資者 Lux Capital, Y Combinator, FundersClub, etc.
URL https://www.caper.ai
自動決済可能なスマートショッピングカートを開発。カメラやセンサーの設置は不要。商品をカートに入れる際、カートに取り付けられたスキャナーにかざすだけ。カート搭載小型ディスプレイにセール情報やレシピなども表示できる。
Image : Caper HP

9. 後払いサービス

 消費者の様々な支払いニーズに応えることで売上向上に寄与する後払いサービス (Buy Now, Pay Later: BNPL)。スウェーデンのユニコーン企業Klarnaをはじめ、eコマースをターゲットにBNPLサービスを提供する企業が多い中、実店舗でのBNPLサービスも徐々に浸透してきています。新型コロナウイルス感染収束までの時間が長引くほど景気や雇用の先行きに対する不安が高まり、ひいては後払いに対する需要が増す可能性もあります。

Affirm
オン・オフ店舗での「後払い」決済
所在地 US
創設年 2012年
資金調達額累計 $1.5 B / Series G *2021年1月13日にIPO
出資者 Founders Fund, Andreessen Horowitz, etc.
URL https://www.affirm.com/home
リアルタイムで与信審査を行い利率を算定、購入時に消費者が希望する月数で分割払いを選択できるファイナンスソリューションを提供。2018年以降、オンラインのみならずオフライン店舗にもサービスを展開。
Image : Affirm HP
Sunbit
店内で申し込み可能な分割払いサービス
所在地 US
創設年 2016年
資金調達額累計 $54.0 M / Series B
出資者 Group 11, Chicago Ventures, Zeev Ventures, etc.
URL https://www.sunbit.com
小規模小売店や修理工場などをターゲットに、消費者が店内で簡単に申請・利用できる分割払いローンのプラットフォームとタブレットを提供。小売店側には翌営業日に手数料を差し引いた額を入金、キャッシュフローの改善を支援。
Image : Sunbit HP

10. サービスロボット

 新型コロナウイルスの感染リスクの高まりとともに、非接触・非対面サービスを実現するサービスロボットの導入も進んでいます。本レポートでは特に、人に代わって屋内での運搬作業を担うサービスロボットを取り上げます。これらのロボットは、多くの人が出入りするレストランやカフェテリア、ホテル、病院内を低速で移動、人や障害物を回避しながら、食事やサニタリー用品、検体や医薬品を運んでいます。

PuduTech
カフェテリアや病院内の低速自律配膳ロボット
所在地 China
創設年 2016年
資金調達額累計 $36.3 M / Series B
出資者 QC Capital, Sequoia Capital China, etc.
URL http://pudurobotics.com
カフェテリアなどでの配膳と食後のトレイ回収に特化した屋内専用の低速自律走行ロボット。センサーとカメラから取得する情報を元に、人や障害物を避けて走行する。COVID-19の拡大を受け、世界中の病院にも同社製品を提供。
Image : PuduTech HP
Savioke
屋内で物品を運搬する自律走行ロボット
所在地 US
創設年 2013年
資金調達額累計 $34.0 M / Series B
出資者 GV, Intel Capital, Mori Trust, Felicis Ventures, etc.
URL https://www.savioke.com
サービス業界向けの自律走行型配達ロボット。主にホテル業界やヘルスケア分野で利用されており、人に代わってリネンやサニタリー用品、医薬品や検体等を運搬。エレベータシステムや内線電話と連携させることもできる。
Image : Savioke HP

11. デリバリー・配送

 ソーシャルディスタンスの確保が求められる状況下で、オンライン上で注文した商品を自宅まで配達してくれるデリバリーサービスに対する需要が一気に高まりました。その中でも、ローカルの実店舗と消費者を結ぶデリバリーサービスや、集荷と梱包までカバーする代行サービスなど、自社で配達サービスを提供しきれないスモールビジネスを支援するソリューションを紹介します。

Glovo
買い物代行も可能なデリバリーサービス
所在地 Spain
創設年 2015年
資金調達額累計 $513.1 M / Series E
出資者 Lakestar, Rakuten, Entrée Capital, etc.
URL https://glovoapp.com/en
食料品から医薬品、日用品、家電製品、料理まで、配達サービスを提供していないローカルの実店舗から注文の品をオンデマンドでデリバリーしてくれる配達アプリ。提携外の店舗でも配達員が買い物を代行してくれる。
Image : Glovo HP
Weengs
商品の梱包と出荷を代行
所在地 UK
創設年 2015年
資金調達額累計 $11.4 M / Series A
出資者 Cherry Ventures, LocalGlobe, etc.
URL http://weengs.co.uk
小規模小売店やオンラインショップ向けに、集荷、梱包、出荷サービスを提供。ショップ側は、商品のピックアップを待つだけでよく、残りの業務をすべて一任でき、時間と手間を省きながらビジネスの拡大を図ることができる。
Image : Weengs HP

12. B2B マーケットプレイス

 ユニークな作品を作るブランドやアーティストなど小規模なサプライヤーと、実店舗しか持たない独立系ショップなどの小規模小売店を結び、スモールビジネスを後押しするB2Bマーケットプレイスも規模を拡大しています。キャッシュフローに配慮した仕組みや、明確な返品ルール、インサイトなどを提供することで、経営面でも小規模ビジネスをサポートするフレームワークが準備されています。

Faire
希少な製品と出会える卸売マーケットプレイス
所在地 US
創設年 2016年
資金調達額累計 $436.0 M / Series E
出資者 Founders Fund, Sequoia Capital, Y Combinator, etc.
URL https://www.faire.com
ユニークな商品を展開するブランドやアーティストと、オリジナリティあふれる製品を追求するセレクトショップなどの小売業者をつなぐ卸売オンラインマーケットプレイス。
Image : Faire HP
Ankorstore
実店舗の商品をキュレーション
所在地 France
創設年 2019年
資金調達額累計 $31.0 M / Series A
出資者 Index Ventures, Global Founders Capital, etc.
URL https://www.ankorstore.com
家庭用品から食品、バス用品、文房具など専門ブランドと独立系ショップのオーナーを対象としたB2Bマーケットプレイスを展開。B2Cマーケットプレイスのようなインターフェースで、€100~の小ロット注文に対応。
Image : Ankorstore HP

13.「体験型」店舗

 afterコロナ時代の実店舗は、「販売」ではなく「体験」に重きを置く方向へトレンドが向かうのではないか、あるいはeコマースでのピンポイント検索では巡り会えない商品との「偶然の出会い」のための場となるのではないかという予測もたびたび聞かれます。そのような消費者が五感を使って商品を体験できる特別な「ショールーム」空間を提供する企業も増えてきており、単独では実店舗を持つことが難しいスタートアップ企業や小規模D2Cブランドにも、新たなビジネスチャンスをもたらします。

b8ta
ショールーム型店舗
所在地 US
創設年 2015年
資金調達額累計 $93.6 M / Series C
出資者 Khosla Ventures, Plug and Play Tech Center, etc.
URL https://b8ta.com
ユーザーが最新のハードウェア商品を実際に試すことができるショールーム空間を展開。「Retail as a Service」として提供され、ブランドやスタートアップ企業は煩雑な手続きを経ることなくショールームに商品を置き、顧客からのフィードバックやインサイトを得ることができる。
Image : b8ta HP
SHOWFIELDS
D2Cブランドを集めた体験型デパート
所在地 US
創設年 2017年
資金調達額累計 $9.0 M / Seed
出資者 Hanaco Venture Capital, Rainfall Ventures, etc.
URL https://showfields.com/
新たな購買体験を重視した、D2Cブランドを集めた新スタイルのデパート。常時30店ほどのポップアップストアを展開し、消費者は美術館やテーマパークに行く感覚で、写真を撮ったり空間を楽しみながら商品を体験することができる。
Image : SHOWFIELDS HP

※紹介している企業情報は、「Retail Tech Trend Report」制作当時のものです。
※本記事はTECHBLITZが配信した「Retail Tech Trend Report」をダイジェストで紹介したものです。レポートをご覧になりたい方はこちらまでお問い合わせください。




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