特定テーマのトレンドキーワードや注目スタートアップを紹介する「トレンドレポート」。今回は都市と地方における、それぞれの注目テック領域にフォーカスしてまとめた「アーバンテック&ルーラルテックトレンドレポート」を紹介します。同レポートでは、“都市と地方 / 地域のエネルギー”、“モビリティ”、“コミュニティ”など15のカテゴリに分けてスタートアップ情報をお届けします。
※レポート本誌は、2024年2月に「BLITZ Portal」ご利用企業向けに発刊しております。

都市と地方それぞれで暮らす人々の持続可能な社会を実現するためには?

Deloitte 「“Urban Future with a Purpose”
OECD 「“Rural Well-being : Geography of Opportunities”」などを参考にBLITZ Portalが作成

 国際連合経済社会局(UN DESA)のデータを参照した国連貿易開発会議(UNCTAD)の資料によると、2022年に80億人を突破した世界の総人口のうち56.9%が都市部に居住しており、その割合は2012年の52.5%から増加しています。内訳を見ると後発開発途上国(LDC)では35.8%、発展途上国では52.3%、先進国では実に79.7%の人々が都市部で暮らしています。過去10年間で最も顕著な都市化がみられたのはアジアとオセアニア地域を中心とする発展途上国だそうです*。

 世界的な都市への人口集中が進むにつれ、都市部の暮らしに関わる「アーバンテック」の取り組みに注目が集まっています。世界各地のスマートシティでは先端技術の実証実験や社会実装への準備が進んでいます。AIや機械学習、センサー、アナリティクスなどの技術的進歩が、都市における意思決定の改善やコスト削減、持続可能性の向上を後押ししており、近年では特にAIをベースとしたアーバンテックの活躍が目立ちます。

 一方で地方や農村部においてもデジタルプラットフォームの導入やインフラの整備、農業イノベーションなどが進んでいます。各種技術の進歩はもちろんですが、未成熟なインフラ、デジタルディバイド、人手不足、コミュニティの希薄化や社会的孤立などといった地方ならではの課題解決に対する社会的な意識の高まりが「ルーラルテック」への資金流入を加速しています。

 国内では人口減少による課題が顕著で、地方ではその減少ペースが速く、特に若者の流出が喫緊の問題となっています。最近では「デジタル田園都市国家構想総合戦略」など国を挙げての地方創生の機運の高まりとともに、官民が一体となったさまざまな取り組みが進んでいます。

 それぞれの地域で暮らす人々の幸福度や利便性を向上しつつ社会的課題を解決し、持続可能な社会を実現するためには、各種のテクノロジーの受容とともに、地域のステークホルダーの参画と協働による取り組みの推進が不可欠です。本レポートでは、国内外の有望なアーバンテックやルーラルテックを「インフラ」「人や物の流れ」「ライフスタイル」「持続可能な産業と農業」の4つに大きく分類し、カテゴリーごとにご紹介します。

* UNCTAD「“Total and urban population”

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短縮版では「アーバンテック&ルーラルテック」のスタートアップ37社を紹介(当記事では、うち3社を紹介)

 「アーバンテック&ルーラルテックトレンドレポート」は、以下の画像の内容で構成しております。そのうち本記事のフォームから入手できる短縮版では、冒頭の「Overview」と「カテゴリー概要(一部)」のセクションをご提供しています。

  ※今回TECHBLITZ上で配布する「アーバンテック&ルーラルテックトレンドレポート」は一部項目のみの短縮版となります。下記コンテンツを含んだ完全版は「BLITZ Portal」会員のみに配布いたします。

[完全版で追加される内容]
・(Category12以降)カテゴリー概要
・大手企業 × スタートアップの協業事例

水インフラ

人々の暮らしの中で安全な水を安定的に確保することは不可欠ですが、上下水道の整った地域であっても災害や有事の際の脆弱性が課題となっており、インフラとしての重要性が改めて注目を集めています。「水インフラ」カテゴリでは、排水を効率的に浄化することのできるテクノロジーや、水源管理を利用者自らが担う必要のある地域で活用されるシステムを紹介します。

NALA Membranes

Image : NALA Membranes HP

浄水システムの脱塩や浄化をより簡単かつ低コスト化できる耐薬品性を持つ、高分子逆浸透膜(RO膜)を開発。従来のポリアミドではなく、特許特許取得済みのポリマー製にすることで目詰まりを少なくし、運用やメンテナンスのコストを低く抑えている。工業廃水や住宅排水の浄化に利用できるほか、海水を低コストで淡水化できることから、世界の水不足を解消する技術としても期待を集めている。2023年3月、米エネルギー省などが選定する、淡水化および水再利用技術を推進する12件のプロジェクトの1つに、同社が幹事社を務める案が採択された。

インフォマティクス

人工物や自然物の情報を収集し分析や処理を行って活用につなげるテクノロジーに注目が集まっています。「インフォマティクス」カテゴリでは、都市の映像情報をリアルタイムで分析して洞察を提供するサービスや地上の活動を宇宙から監視して分析するサービスを紹介します。

ConstellR

Image : ConstellR HP

熱赤外線マイクロサテライトを用いた、地表温度のグローバルモニタリングシステムを開発。表面温度とともに表面から大気へ放出される水分量を測定して、作物への影響を分析したり、干ばつや霜を予測して給水量を調節することができる。農業用途の他にも山火事、噴火、地震など地表温度の変化を伴う災害を早期検出する手法としても期待されているほか、産業インフラの温度変化を監視して運用状況や危険リスクを可視化することも可能に。同社はモロッコ、南アフリカ、ジンバブエを皮切りにアフリカへ進出している。

健康と医療

テクノロジーの進歩は健康的な生活と医療に大きく貢献しており、多くのスタートアップが注力している分野です。「健康と医療」のカテゴリーでは、特にパンデミック以降も着実に普及が進んでいる遠隔サービスの例や、農村部へのリーチに取り組むルーラルテック、人口密集地から得られるデータを地域の健康増進に還元するアーバンテックを紹介します。

Biobot Analytics

Image : Biobot Analytics HP

下水道を公衆衛生観測所に変えるテクノロジーを開発。まず、下水に含まれるウイルスやバクテリア、化学物質を検出し解析。これらのデータと地域の患者の臨床検査結果を掛け合わせることで、薬物使用、環境汚染物質、栄養状態、感染の分布といった地域住民の健康に関する貴重な洞察を導き出している。公衆衛生当局はこれらに基づいて迅速かつ的確に地域住民の生活改善や、対象を絞った対策を打ち出すことができる。なお、同社は過去にMITのアクセラレーターDeltaVやDesignX、Y Combinator W18を経験している。



 グローバルな技術トレンドの把握や、スタートアップ調査、事業アイデア創出といった場面で、本レポートが少しでもお役に立てれば幸いです。

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