※レポート本誌は、「BLITZ Portal」にて2025年5月にご利用企業向けに発刊しております。
認識技術分野の概況
認識技術とは、人を介さずに機械やコンピューターがデータを自動的に読み取り、その内容を認識する技術を指します。中でも、画像認識技術と音声認識技術は代表的な分野として広く知られています。画像認識技術には、セキュリティ分野で活用される顔認識やピッキングロボットに適用される物体認識のほか、画像内の文字を識別する光学式文字認識(OCR)、データの規則性を読み取るパターン認識、さらにはQRコードやバーコードの認識などが含まれます。なお、近年よく耳にするコンピュータビジョンは、画像の認識とその後の解釈を伴うものであり、画像認識技術を内包する技術となっています。一方、音声認識技術には画像認識技術ほど明確な分類はありませんが、特定話者の声の学習が含まれるかどうか、などいくつかのタイプに分けられることがあります。 ある調査によれば、画像認識技術の市場規模*は、2023年の$53.3B以降、2030年まで年平均成長率(CAGR)12.8%で拡大すると予測されています。この成長の背景には、AIや機械学習(ML)の進展に付随する画像データの増加、また業界全体に広がるDX(デジタルトランスフォーメーション)や業務自動化の加速があります。一方、音声認識技術の市場規模**は2023年時点で$20.2Bとされ、その後2030年にかけてCAGR14.6%の成長が見込まれています。この成長の背景には、スマートフォンや音声対応デバイスを介したAIツールの普及があり、今後は医療・自動車・教育など多様な分野への展開が期待されています。 本レポートでは、世界の認識技術関連スタートアップの中から累計資金調達額トップ50社(2025年4月時点)をピックアップし、カテゴリー別にご紹介します。皆様の情報探索の一助になりますと幸いです。
*Grand View Research “Image Recognition Market Size, Share & Trends Analysis Report”
**Grand View Research “Voice And Speech Recognition Market Size, Share & Trends Analysis Report”
「物体検出」「安全管理」「会話アシスト」の注目スタートアップを紹介

本レポートでは下記注目カテゴリーを取り上げております。 【8つの注目カテゴリー】
- 物体検出
- 安全管理
- インテリジェンス
- 会話アシスト
- 字幕・議事録
- 音声コマンド
- セキュリティ・認証
- ドキュメント・ナレッジ
物体検出
物体検出は、顔認識や音声認識と並ぶ認識技術の中核を担っています。近年では特に物流分野での活用が進んでおり、多様な形状の物体を高速かつ高精度に識別することで、自律型ロボットによるピッキング作業の自動化を実現しています。
Pickle Robot
トレーラーでも利用可能な荷降ろしロボット

image : Pickle Robot HP
AIと画像認識機能でトラックからの荷降ろし作業を高速で行うロボティクスソリューション。雑多に積まれている状態でも、マシンビジョンによりその形状やサイズを識別して掴むことが可能。狭いトレーラー内でもアームの位置や動きを独自に判断し、トレーラーや荷物を傷つけることなく作業を行う。これまでToyota Venturesなどから出資を受ける。
- 資金調達額累計:$102.5M
- 本拠地:米国 マサチューセッツ州 ケンブリッジ
- HP:https://picklerobot.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/Pickle-Robot-oxlkGVZj
安全管理
映像や画像を解析することで、安全上のリスク低減を図るソリューション。対象物や空間の異常検知、路上の混雑状況の把握、ドライバーの状態監視などに活用されています。なお、同カテゴリーに属するUVeyeは近年トヨタとの緊密な関係を築いていることで注目を集めています。
Netradyne
ドライバーの運転行動を可視化して改善を促す

image : Netradyne HP
車内外映像の解析と運転状況のリアルタイム監視で、運送車両ドライバーの安全運転をサポートするフリート管理システム。走行中の映像データをAIで分析し、危険運転や注意散漫などの兆候を検知すると、音声アラートでドライバーに警告を行う。
- 資金調達額累計:$352.5M
- 本拠地:米国 カリフォルニア州 サンディエゴ
- HP:https://www.netradyne.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/-dZjEgZXp
会話アシスト
主にAIアシスタントやエージェントに関連する分野で活用されるソリューションで、豊かな会話体験と、会話を通じた高度な情報提供を実現します。顧客対応のみならず、英会話学習や発音指導といった言語教育、医療機関における臨床記録の作成など、対面コミュニケーションが求められる分野での導入が進んでいます。
PolyAI
会話型AIによる自然な音声アシスタント

image : PolyAI HP
音声認識と自然言語処理で顧客対応を自動化する、カスタマーサポート支援ツール。AIが顧客満足度を測定し、問題の兆候があればサービス担当者に引き継ぐ。通話相手のアクセントやスラング、割り込みの質問にも対応ができ、電話回線の乱れがあっても、発言意図を汲むことが可能。
- 資金調達額累計:$116.0M
- 本拠地:イギリス ロンドン
- HP:https://poly.ai/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/-JKzL4VxR

グローバルな技術トレンドの把握や、スタートアップ調査、事業アイデア創出といった場面で、本レポートが少しでもお役に立てれば幸いです。
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