特定テーマのトレンドキーワードや注目スタートアップをお伝えする「トレンドレポート」。新たにユニコーンになると期待される世界のスタートアップの中から注目企業をピックアップした「エマージングユニコーン 2025」を作成しました。
※レポート本誌は、2025年2月に「BLITZ Portal」ご利用企業向けに発刊しております。

エマージングユニコーン、ネクストユニコーンとは?

出典: Crunchbase News “Emerging Unicorn Board”を参考にBLITZ Portalが作成

出典: Crunchbase News “Emerging Unicorn Board

 「ユニコーン」とは、評価額が10億ドル以上の未上場企業(概ね設立10年以内)を指します。この呼称は、10年以上前にベンチャーキャピタリストのAileen Lee氏が提唱したもので、当時のそうした企業の希少性から名付けられました。近年ではテクノロジーの進歩とスタートアップ投資の活性化により、ユニコーン企業はもはや珍しい存在ではなくなりました。Crunchbaseのデータによると、2025年1月時点で世界のユニコーン企業の数は1,550社を超えています*。

 こうした中で注目したいのが「エマージングユニコーン」あるいは「ネクストユニコーン」と呼ばれる企業群です。これらは評価額が5億ドル以上10億ドル未満で、近い将来ユニコーンになると期待される企業の総称です。エマージングユニコーンの最大の特徴は、その卓越した成長性にあります。これらの企業は、革新的な技術を実用的な製品やサービスへと昇華させる能力を有し、既に相当数の顧客基盤を確立していることから、IPOなどのイグジット時に多大な収益をもたらす潜在力を秘めていると投資家から高く評価されています。

 技術やビジネスモデルが目まぐるしく進化する今日、着実に力をつけている次世代の各分野を牽引する起業家たちや今後のマーケットや産業全体を牽引していくと思われるエマージングユニコーンの活躍に注目が集まっています。

 本レポートでは、2025年の展望やトレンドを見極める上で、年初の段階でユニコーンに極めて近い位置にあるスタートアップに着目し、その中でも有力なVCやCVCから1年以内に資金調達を行った実績を持つ、代表的なスタートアップを業界別にご紹介します。

* Crunchbase News“The Crunchbase Unicorn Board

短縮版でもエマージングユニコーンのスタートアップ22社をご紹介(本記事では、うち3社を紹介)

 「エマージングユニコーン 2025」は、以下の画像の内容で構成しております。そのうち本記事のフォームから入手できる短縮版では、冒頭の「Overview」と「製造・ものづくり〜グリーンテック」までお読みいただけます。

※今回TECHBLITZ上で配布する「エマージングユニコーン 2025」は一部項目のみの短縮版となります。下記コンテンツを含んだ完全版は「BLITZ Portal」会員のみに配布いたします。

[完全版で追加される内容]
・ヘルスケア、不動産、リテール・Eコマース、物流、業務効率化ツール、メディア、Web3

製造・ものづくり

製造・ものづくりの現場では、AIやIoTの普及がますます進むと同時に、量子コンピューティングの実用化へ向けた取り組みが加速しています。また、スマートファクトリーの実現や生産効率の向上が最重要課題となる中、革新的なテクノロジーソリューションを提供するエマージングユニコーンが躍進しています。

IQM Quantum Computers
超伝導方式の量子コンピューターの実用化

Image : IQM Quantum Computers HP

様々な分野への適用を目指し、実用的な量子コンピューターの開発に取り組む企業。同社はハードとソフトの相互作用を考慮した設計を行うことで、アプリケーション固有の量子コンピューターを構築するユニークな戦略を採用。独自の集積回路でQPUクロック周波数を向上させ、室温でも大規模な量子プロセッサのコントロールが可能。主力製品は「IQM Radiance」や研究実験用の「IQM Spark」、クラウドサービス「IQM Resonance」。2023年12月、次世代の高度な超伝導量子プロセッサーの開発と運用による量子情報科学の分野で、カリフォルニア大学バークレー校との戦略的提携を発表。

航空・宇宙

2024年第1四半期の宇宙関連企業への投資が65億ドルに達し、前年同期比33%増を記録する* など、航空・宇宙分野ではスタートアップへの投資が活発化しています。2025年も引き続き、センサーや通信技術、AI、自律システムの進歩が業界全体を牽引していくものと思われます。
*Worth “2024:A Record-Breaking Year for Space Technology and Exploration

HawkEye 360
衛星によるRFデータの観測と分析

Image : HawkEye 360 HP

小型衛星コンステレーションを運用し、地上・海上・空中のRF(無線周波数)信号を検出して位置を特定、分析する、地理空間分析企業。従来の方法では捕捉困難な地球上の「ダークアクティビティ」を可視化し、防衛、政府機関、通信企業、海運業界向けにサービスを提供する。海上交通監視、違法漁業特定、緊急対応管理、国境警備強化など、多様な分野に革新的なソリューションを展開している。同社の衛星群は、3基1組の「クラスター」として地球を周回し正確なデータを提供する。2024年12月、同社は「クラスター11」の打ち上げと初期ランデブーに成功。アップグレードされたペイロードによりデータ収集能力が向上し、高速ダウンリンク送信機によるデータ配信速度は4倍に達した。これらにより、同社はタイムリーかつ多次元的な地理空間インテリジェンスの提供能力を大幅に強化し、グローバルな情報分析市場において先駆的な位置を確立しつつある。

グリーンテック

持続可能な社会の実現に向けたグリーンテック分野では、世界中の革新的なスタートアップが環境保護と経済成長の両立を目指し、急速な発展を遂げています。ここでは、データセンターの電力消費を大幅に削減する液浸冷却技術や、AIを活用した廃棄物の自動選別システムを手がけるエマージングユニコーンをご紹介します。

Submer
環境性とパフォーマンスを両立させる液浸冷却装置

Image : Submer HP

独自開発の生分解性単相冷媒とスマートコンテナを組み合わせた冷却システムを提供する企業。データセンターの機器を特殊な誘電性液体に浸すことで、冷却効率の向上と電力消費量の大幅な削減と環境負荷の軽減を実現。同システムは拡張性の高いモジュール式であり、既存インフラへの容易な統合と省スペース化が可能。プラグアンドプレイ型のコンパクトな「SmartPod EVO」、優れた熱放散能力を持つ「SmartPod EXO」、屋外設置可能なオールインワン型の「MicroPod」があり、放熱能力、消費電力、タンク性能などの特性に応じて選択できる。同社はIntelと提携し、次世代データセンター向けの「Precision Immersion Cooling Fluid Cloud」を共同開発している。同社はバルセロナのほか、ヒューストンや台北などに拠点を展開している。



 日本企業が現状のトレンドを予測するうえで、またオープンイノベーションの進め方を考えるうえで、本レポートが少しでもお役立に立てれば幸いです。

 「エマージングユニコーン 2025」短縮版をご希望される方は、「レポートを入手する」より資料請求をお願いします。

※新規事業開発、R&D、オープンイノベーション、商材発掘などを行う事業会社、政府系機関(行政含む)、CVC、VC、メディアに限りお渡しさせて頂いております。サービスプロバイダー、弊社と同業種の方等へのお渡しはお断りさせて頂く場合があること、ご了承ください。



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