※レポート本誌は、2025年5月に「BLITZ Portal」ご利用企業向けに発刊しております。
高齢化社会を支えるエイジテックの現在地

図出典: WORLDOSTATS “Population Age Breakdown by Country – Global Data (2025)” を参考にBLITZ Portalが作成

図出典: Longevity International ”AgeTech: The Next Frontier in the Longevity Industry”
世界規模で進む高齢化は、社会のあり方や私たちの暮らしに大きな変化をもたらしています。国連の推計によれば、60歳以上の人口は2030年までに14億人に達し、世界各地で高齢者が若年層を上回る時代が到来しつつあります*。日本は65歳以上が総人口の3割に達しようとしており**、超高齢社会の先駆者として世界的な注目を集めています。こうした人口構造の変化を受けて、健康寿命の延伸や自立した生活の実現、社会参加の促進など、高齢者のQOL(生活の質)向上はこれまで以上に重要なテーマとなっています。
このような背景のもと、近年急速に発展しているのが「AgeTech(エイジテック)」と呼ばれる高齢者向けのテクノロジーやソリューションです。AgeTechは、ヘルスケアや介護、金融、住まい、コミュニケーションなど多岐にわたる分野で、高齢者一人ひとりのニーズに応じたサービスや体験を提供し、より自分らしい生き方を支える分野として注目されています。その市場規模は今年グローバルで2.7兆ドルにまで拡大すると予測されており***、今後もさらなる成長が期待されています。
本レポートでは、高齢化社会の進展や介護人材不足といった社会課題を背景に注目を集めるエイジテック領域から、有望なスタートアップをカテゴリー別にご紹介します。後半では、国内外のスタートアップと大企業との協業・導入事例も取り上げています。読者の皆さまの情報収集の一助となれば幸いです。
* WHO “Ageing: Global population”
** WORLDOSTATS “Population Age Breakdown by Country – Global Data (2025)”
*** Longevity International ”AgeTech: The Next Frontier in the Longevity Industry”
本レポートの無料版ではスタートアップを12社ご紹介
「エイジテックトレンドレポート」は、以下の画像の内容で構成しております。そのうち本記事のフォームから入手できる短縮版では、冒頭の「Overview」と「カテゴリー概要(一部)」をお読みいただけます。
※今回TECHBLITZ上で配布する「エイジテックトレンドレポート」は一部項目のみの短縮版となります。下記コンテンツを含んだ完全版は「BLITZ Portal」会員のみに配布いたします。
[完全版で追加される内容]
・(Category06以降)カテゴリー概要
・大手企業との協業 / 導入事例

フィジカルヘルス
テクノロジーを活用し、高齢者の健康維持や増進に貢献するスタートアップが注目されています。AIによるモニタリングやプロセス効率化、デジタルデバイスを使った健康管理など、革新的なサービスが次々に登場しています。ここでは、医療へのアクセスを容易にすることで高齢者の身体の健康を守る仕組みや、動作をサポートする外骨格ロボットなどをご紹介します。
RoboCT
高齢者の動作をサポートする外骨格ロボット

image : RoboCT HP
高齢者やリハビリ患者向けに外骨格ロボットを開発する企業。筋電・脳波・脊髄波などの生体信号を活用した独自の「意図認識アルゴリズム」により、ユーザーの動作意図を正確に把握し、自然なサポートを実現。500件以上の特許を保有し、軽量素材や人工筋肉などの新素材も積極的に採用。将来的には衣服のように着用できる外骨格の実現を目指す。現在、中国国内の600以上の医療機関や大学と連携し、臨床や研究を進めており、累計62万人以上の歩行・自立支援の実績がある。医療・介護分野に加え、産業・物流分野にも展開。2024年2月には主力製品がCE認証を取得し、国際展開を加速している。
- 資金調達額累計:$32.8M / Series B
- 本拠地:中華人民共和国 浙江省 杭州市
- HP:https://en.roboct.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/-6K6D9Q1x
経済的な安心感
安心して余生を過ごすため、高齢者の経済的基盤を支えるフィンテックソリューションが注目されています。近年増加する金融詐欺から高齢者を守るため、支出や資産運用を見守るサービスや、AIを活用して長期介護の計画や費用管理を簡素化するサービスが登場しています。こうしたサービスは操作性やサポート体制にも配慮されており、高齢者やその家族が安心して利用できる環境づくりが進められています。
True Link Financial
不要な支出や金融詐欺から高齢者を守る

image : True Link Financial HP
高齢者や障がい者、依存症回復者など、支出管理が難しい人々とその家族・後見人向けに、支出制限機能付きのプリペイドカードや投資運用サービスを提供する企業。店舗や時間帯、購入カテゴリ(寄付、ネットショッピング、薬品など)を細かく設定でき、不正支出や詐欺を防ぎつつ、利用者の「買い物の自由」も確保できる。関係者はダッシュボードで支出状況をリアルタイムに確認でき、不審な取引にはアラートが送信される。サービスは年間1億7,500万ドル相当の詐欺や不要支出を防止している実績がある。現在、75以上の政府機関、250以上の金融機関、300以上の非営利団体と連携し、今後は大手銀行向けのホワイトラベル展開も計画中。
- 資金調達額累計:$68.3M / Series B
- 本拠地:米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ
- HP:https://www.truelinkfinancial.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/-d9Kp9pjN
安全な暮らし
日常生活に潜むさまざまなリスクから高齢者を守り、安心して暮らせる環境を実現するソリューションが注目されています。たとえば、AIを活用した映像解析による転倒リスク低減システムや、音声モニタリング・IoTセンサーによる見守り、操作性と導入のしやすさに配慮したスマートホームソリューションなど、多様な最新技術が登場しています。
Safely You
介護施設入居者の転倒検知システム

image : Safely You HP
高齢者の転倒検知と予防ソリューションを提供する企業。AI駆動のビデオ技術「SafelyYou Respond」により、ウェアラブル機器なしで入居者を常時見守る。99%の精度で転倒をリアルタイムに検知し、スタッフが即時対応できるため、重傷化リスクを抑制。高齢者の救急外来の受診機会を大幅に削減できることが実証されている。さらに、医療専門家による遠隔チームがインシデントを分析し、予防策の提案も行う。北米の介護施設を中心に450以上の施設で導入され、18,000人以上の入居者を支援している。
- 資金調達額累計:$114.3M / Series C
- 本拠地:米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ
- HP:https://www.safely-you.com/
- 企業概要ページ:https://blitzportal.com/startups/-oxlmb3X1
グローバルな技術トレンドの把握や、スタートアップ調査、事業アイデア創出といった場面で、本レポートが少しでもお役に立てれば幸いです。
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