TECHBLITZ編集部では今回「VCが集中投資したスタートアップ50」レポートを作成しました。“半導体”、“データセンター”、“AI”、“エネルギー・環境”に分類し、スタートアップと世界の協業事例を紹介しています。
※レポート本誌は、2025年2月に「BLITZ Portal」ご利用企業向けに発刊しております。

近い将来ユニコーンになると期待されるスタートアップ「エマージングユニコーン 2025」
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2024年にVCが注目した分野は?

 2024年のスタートアップ資金調達市場3,140億ドルに到達し、前年(3040億ドル)をわずかに上回る緩やかな成長を示しました*。一方で全体の資金調達件数は前年比で減少しており、一件当たりの資金調達額が増加しています。特に2024年の第四半期 10月~12月はOpenAIやAI関連企業によるメガラウンド($100M$超えの資金調達)が相次ぎました。この動きに後押しされ、2024年のAI関連企業への資金調達額は前年から80%以上増加し、1000億ドルを超える過去最高額を記録しています。結果として、2024年における全世界のベンチャー資金の約3分1がAI関連企業䛻集中しており、AI市場の活況がうかがえます。

 同時に、2024年はエネルギー・環境関連企業への大型資金調達も目立ちました。中でも気候変動対策に貢献する革新的技術を持つスタートアップに注目が集まりました。化石燃料に依存しない発電技術やCO2回収技術への投資の活発化は、持続可能なエネルギーの未来を築く重要な一歩となっており、エネルギー産業の大きな転換期を象徴しています。

 そのほか、大型資金調達の件数が多かった分野が、半導体とデータセンターです。半導体は、AIをはじめ、IoTや5G、エッジコンピューティングなどの先端技術を支える高速コンピューティングなどの進化を直接寄与するため、注目を集めています。特に生成AI用途に特化した半導体スタートアップも見られます。一方、データセンターは、膨大なデータ処理や高度な計算能力を求めるAI技術の発展に伴い、需要が急増しています。しかし、その電力消費量が非常に大きく、今後さらに増加が予想されるため、エネルギー効率向上技術や再生可能エネルギーを活用した環境配慮型施設への関心が高まっています。

 本レポートでは、世界のスタートアップの中から2024年の資金調達額トップ50社(2025年1月時点)を調達額順にランキングしています(投資会社と創薬企業を除く)。また2024年に特に資金調達が多かった領域をピックアップしてご紹介しています。

* Crunchbase News“Startup Funding Regained Its Footing In 2024 As AI Became The Star Of The Show

「半導体」「AI」「エネルギー・環境」の注目スタートアップを紹介

 本レポートでは下記注目カテゴリーを取り上げております。

    【4つの注目カテゴリー】
  • 半導体
  • データセンター
  • AI
  • エネルギー・環境
 その中でも今回、3つのスタートアップを一部紹介いたします。
※以下の資金調達額累計は2025年1月時点の数値となります。

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大規模な資金調達が目立ったAI市場。特に生成AI分野が注目を集めました。OpenAIは年間で$6.6Bを調達し、xAIもシリーズBで$6.0Bの資金調達に成功するなど、話題に事欠きませんでした。さらに、AIを活用したロボティクスのFigureや、検索エンジンのPerplexityなどの企業も急成長を遂げています。今後はAIの実用化が一層加速し、NvidiaやAMDなどの大手企業だけでなくスタートアップ企業の更なる発展に期待が寄せられています。

Scale AI
高精度のアノテーション代行でAI開発を促進

Image : Scale AI HP

自動処理と人間判断を組み合わせ構築時間を短縮する、機械学習構築プロセスの代行サービス。2024年5月にはNVIDIAやMeta、Amazonといった数多くの有名企業から$1Bを調達。

半導体

半導体市場は、AIと高性能コンピューティングの需要が成長を牽引しました。そのなかでAIチップ設計・製造のスタートアップが大手VCから大型調達を実現し、その存在感を高めた1年となりました。IDCの予測*では世界の半導体市場は2025年に15%の成長が見込まれ、AIアクセラレータ向け高帯域メモリ(HBM)の需要増加により、メモリ部門は24%以上の成長が予測されています。今後は大手半導体メーカーで2mm世代技術の量産化が進み、AIチップ向け製造能力の大幅な拡大が進むと見られています。
*IDC "Global Semiconductor Market to Grow by 15% in 2025, Driven by AI"

Tenstorrent
オープンソースを利用したAI用ハードウェアの開発

Image : Tenstorrent HP

オープンソースを基盤とし、高いカスタマイズ性を備えた高性能AIアクセラレーターやプロセッサ。世界的に著名なCPUアーキテクトのJim KellerがCEOを務めている。

エネルギー・環境

エネルギーおよび環境ソリューション市場は、大規模な資金調達案件が相次ぎ、活発な動きを見せました。特にエネルギー貯蔵分野は国や自治体からの支援も厚く、参入企業が増加しています。スタートアップ各社の次世代技術では、鉄空気電池を活用した長時間エネルギー貯蔵の実用化や、AI技術を活用したクリーンエネルギー向け鉱物資源の探査などが注目を集めました。2025年以降はエネルギー貯蔵技術のさらなる進化と、分散型エネルギーシステムの普及が加速すると予測されています。

Form Energy
リチウム電池より長時間の電気の貯蔵が可能な鉄空気電池

Image : Form Energy HP

約100時間分の電気貯蔵が可能になる、再生可能エネルギー向け鉄空気電池システム。2024年10月にはBreakthrough Energy VenturesやTemasekなどから約$400Mを調達。



 日本企業が現状のトレンドを予測するうえで、またオープンイノベーションの進め方を考えるうえで、本レポートが少しでもお役立に立てれば幸いです。

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