Whisticはベンダーのセキュリティ評価プロセスを効率化するスタートアップ。従来はメールやスプレッドシートでやりとりしていたベンダーのセキュリティ情報を、同社プラットフォーム上で効率的に管理・評価できるようにする。今回はCEOのNick Sorensen氏にサービスの強みや、同社が本拠地とするユタ州「シリコンスロープ」の魅力などについて聞いた。

米国西部の強力なテックハブ「シリコンスロープ」

――どのような経緯でWhisticに参画しましたか。

 Whisticは私にとって3社目のスタートアップです。前職のSaaS企業を創業し、ユニコーン企業に売却した後で、再びスタートアップで働きたいと考えていました。

 ユタには「シリコンスロープ」と言われるスタートアップの集まりがあり、私はそこで100社近い創業チームと会いました。その中で、出会った企業の一つがWhisticでした。創業者で現CTOのJuanが解決しようとしている問題とその想いに、深く共感したのです。

Nick Sorensen
Whistic
CEO
Brigham Young Universityにてビジネスマネジメントとアントレプレナーシップを専攻。2010年にフィンテックのスタートアップを創業し、Prosper Marketplaceに売却。2016年にWhisticに参画し、2017年よりCEO。
 その問題とは、企業はベンダーとそのセキュリティを評価しなければならず、それが営業などの面でビジネスのスピードを遅延させているというものです。

 企業は多くのケースでスプレッドシートとEメールを利用しており、私たちはこれを自動化してソフトウェアで実施できるようにしようと考えました。これがWhisticの創業の経緯です。私自身は当初COOとして参画し、2017年からCEOを務めています。

――ユタ州の「シリコンスロープ」は、スタートアップにとってどんな環境なのでしょうか。

 ここ10年で、ユタは米国西部の強力なテックハブの一つに変貌を遂げました。ユタ州の経済は常に全米でトップレベルの経済規模を誇っています。生活費が安く、税金も安く、生活環境も良好です。

 テック企業のエグジットも目立っています。Adobeが2009年に18億ドルで買収したOmnitureという会社は有名です。その買収により、Adobeはユタ州に大きなオフィスを作ることにしました。そして今では、シリコンスロープの中心部にある巨大なオフィスで2,000人以上の従業員を雇用する計画を立てていると思います。また最近では、Qualtricsもシリコンスロープでのエグジット例の一つです。Qualtricsは、2018年に80億ドルでSAPに買収されましたね。

 ユタには他にも何十社もの成功したテック企業があり、ベンチャーキャピタルからの関心も高まっています。仕事をするには最高の場所で毎年ユタに移住する人が増えています。

1万4000社のベンダー情報を登録。主にテック企業が利用

――Whisticのサービスについてお聞きします。具体的にどんなサービスを提供しているのでしょうか。

 ソフトウェア上でベンダーを評価できるプラットフォームを提供しています。企業がSaaSなどを導入する際、ベンダーが信頼に足るかどうか、情報が守られているのかなどを確認することができます。

 今までベンダーの評価プロセスはメールなどのやりとりが中心になっていましたが、Whisticのトラストカタログと呼ぶサービスにアクセスすると、すでに公開されているベンダーやセキュリティ情報を閲覧できます。今、トラストカタログには1万4000社のベンダー情報が登録されています。このプロセスは、私たちがプライベートでSNSのプロフィール情報を利用して、Webサービスに認証するのと似ていると思います。

――どのような顧客が御社のサービスを利用していますか。

 顧客は、Airbnb、Okta、Qualtricsなど急成長しているテック企業です。彼らは自分たちのビジネスのためにソフトウェアを運用しており、信頼できるベンダーを必要としています。

――どんなビジネスモデルになっていますか。

 利用企業側にはサブスクリプションモデルで課金しています。課金するとトラストカタログのアクセス権やベンダーを評価する機能を利用できます。また売り手であるベンダーからも情報掲載料金をいただいています。

Whisticの提供するトラストカタログには、1万4000社のベンダーが登録されている。

 私たちのサービスはクチコミで広まっています。例えば私がWhisticの利用者で、あるベンダーを評価します。そうすると、そのベンダーは無料でWhisticに登録されることになります。ベンダーがそのときの体験が素晴らしいと思えば、他の顧客に対してもWhisticを使おうと考えてくれます。そうやって、芋づる式にWhisticの利用者が増えていくのです。

コロナ禍でも資金調達に成功

――コロナ禍で苦戦する企業も多い中で、資金調達に成功していますね。なぜでしょうか。

 コロナ禍により、SaaSやリモートで扱えるクラウドアプリを採用する企業が増えています。これらのサービスを利用するにあたり、ベンダーのセキュリティチェックが重要であり、その点でWhisticにとっては追い風となっています。

――海外展開は検討していますか?

 顧客は米国が中心ですが、カナダや欧州、豪州、シンガポールなどにもいます。世界中の企業が共通した課題を抱えており、私たちはその課題を解決できると考えています。

 日本への展開は具体的にはまだ計画していませんが、何らかのパートナーシップやプロダクトに関心がある企業がいればいつでもお話ししたいと思っています。



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