まずはイスラエル来訪を! 来たことがあるのとないのとでは大違い

まずはイスラエル来訪を! 来たことがあるのとないのとでは大違い

Israel / Israel Startup Ecosystem / Government / Israel Innovation Authority
2019-01-25 07:30
政府系でイスラエルのエコシステムを支えるIsrael Innovation Authority。アジアパシフィックで国際的なやりとりのディレクターを務めるAvi L uvton氏に組織の役割や日本企業とのコラボレーションの可能性について聞いた。
Avi Luvton
Israel Innovation Authority
Senior Director of Asia Pacific Operations, International Collaborations Division
Open University of Israelでコンピュータサイエンスの学位を取得、Ben-Gurion University
of the NegevでMBA取得。イスラエル最大の通信企業であるBezeqで働いたのち、現職に。

イノベーションで評価されるイスラエル

―イスラエルのイノベーションに対する姿勢を教えてください。

 イスラエルは、世界経済フォーラム(WEF)の国際競争力レポートで2016-17年にもっともイノベイティブな国の世界2位に選ばれました。人口に対するスタートアップ企業数が多いことでも知られており、 Microsoft、Apple、Googleなど350もの多国籍企業が研究開発拠点も置いています。国としても力を入れ、この地位をより高めていきたいと考えています。

―Israel Innovation Authorityはどのような役割を果たしていますか?

 Israel Innovation Authorityは経済的なインパクトを生むイノベーション技術を育てる責任を持つ政府系機関です。組織自体は50年前にできましたが、2年前に名前が変わっています。

 設立以来イスラエル経済産業省の一部として機能してきましたが、今は独立した組織として運営しており、経済産業省のチーフサイエンティストが議長を務めています。起業家、企業、VC、大学、政府、メディアとのネットワークを形成しており、起業家向けのプログラムや多様なワークショップも展開しています。

 私たちの役割は、製品のライフサイクルや企業を見守り、「市場の失敗」が起こりそうなところや障壁があればそれを取り除けるようにすることです。

 例えば、若い起業家が資金調達をするときに、VCやプライベートエクイティにはリスクが高すぎるので、私たちがサポートすることがあります。イスラエル企業と海外企業をマッチングさせることもあります。垂直的な連携ではなく、インフラになりたいと考えています。ボトムアップ形式をとっており、特定のフィールドを対象にするのではなく、立ち上がってきたものに対応する方法をとっています。

1970年代からのノウハウ、教訓

―イスラエルのエコシステムの特徴は?

 経験があることでしょうか。ほかの国もイノベーションは推進しようとしていますが、私たちは1970年代に立ち上がった歴史がありますから、ノウハウも教訓もたまっています。大学にいい教育プログラムもありますし、スタートアップのためのプログラムも持っています。研究開発センターの中にVCのエコシステムも持っています。

 エコシステムには数多くの企業、インキュベータなどステークホルダーがいますが、どのように橋渡しをするかが大事だと思っています。他国にもエコシステムはありますが、特にイスラエルのエコシステムはコミュニケーションが密だと思います。

イスラエルの革新的技術を日本に

―日本企業にとって、イスラエルはどのような魅力がありますか?

 日本にとってイスラエルは大きな潜在能力を持っていると思います。日本は製造業をはじめとした、非常に成熟した大企業があり高い技術力を持っています。

 一方で、輝かしい革新的なソリューションを持っている企業は少ないのではないでしょうか。イスラエルの革新的なアイデアが統合されれば、技術の大きな進展が期待できると思います。

 日本企業が良いパートナーを探すのにイスラエルは魅力的な場所だと思います。特定の製品やニーズに対して一緒に取り組む相手かもしれませんし、オープンイノベーションでもいいでしょう。

 何が次のコアテクノロジーになるかはわかりません。イスラエルでラボを立ち上げるとか、新しい技術をイスラエルのスタートアップから取り入れることで、考えもしなかった新しいことにつながるかもしれません。

―これまでに成功事例はありますか?

 ソニーやパナソニックなど10社以上の企業がこちらで何らかの活動をはじめています。音声認識技術の日本企業フュートレックが高ノイズ環境下での音声認識性能の向上を目指してイスラエルのVocalZoom Systemsに対して2015年に資本業務提携をした事例などもあります。

リーダーこそイスラエルに来てみてほしい

―日本企業へのメッセージはありますか?

 リーダーにメッセージを送りたいですね。リーダーの後にはフォロワーがついてきますから。とにかく、イスラエルを訪れてみてくださいと言いたいです。

 実際に来たことがある人と、来たことのない人では大きな違いです。来てみると、イメージが根本的に変わるはずです。なので、まずはとにかく、来てみてほしいです。

 その後、ビジネスレベルの話は自然とついてくると思っています。もちろん、日本とイスラエルは言葉も文化も異なり、距離もあります。マッチングはシンプルではありません。ただ、一度信頼関係を作ることができれば、協業は長続きすると思います。

 ※本記事は冊子「Israel Startup Ecosystem 50」の記事を再掲載したものです。冊子ではより詳しいスタートアップの情報や、イスラエルスタートアップと日本企業の協業事例、現地ベンチャーキャピタルのインタビュー記事を掲載しています。

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